「優しさのない正義は、ただの刃」──正しさより大切な“人の心を守る力”

潜在意識

「間違ってないのに、なぜか人を傷つけてしまった…」
そんな経験、ありませんか?
正しいことを言ったのに、空気が冷たくなる。
正義のつもりが、誰かの心を置き去りにしてしまう。

この記事では、“優しさのない正義”
が生むすれ違いをほどきながら、
人の心を守る伝え方について一緒に考えていきます。

銀座で販売をしていたときのこと。
中国のご夫婦が、昨日買ったお洋服を着て
再び来店してくださいました。
「素敵でしょ」と笑顔で見せてくれる姿に、
胸があたたかくなりました。

でもそのとき、別の店員さんが一言。
「日本で着たら免税できませんよ」。
それは間違いではありません。
ルールとしては正しい。

だけどその瞬間、空気がすっと冷えて、
笑顔が消えました。
まるで「悪いことをした」と言われたようで、
胸がギュッと痛くなったのです。

正しさは、本来人を守るためのもの。
でもときに、人はその正しさを
“武器”のように使ってしまう。
「間違えないように伝えた」つもりでも、
その言葉が誰かの心を切ってしまうことがある。

正しいことを言うことが目的になったとき、
そこにはもう“思いやり”がない。
それはもう正義ではなく、ただの刃。
私たちは、正しさの裏に潜む
「冷たさ」に気づく必要があります。

正しさと優しさ、どちらも大切。
でも、どちらか一方だけでは届かない。

正しさは道を照らす“灯り”のようなもの。
でも、優しさが抜けた瞬間、それは刃に変わる。

「どう言うか」より、「何のために言うか」。
その意図に愛があるなら、
同じ言葉でも“人を守る言葉”に変わります。
伝える前に想いを込める――
それが、人と心でつながるための第一歩なんです。


正しさは、人を導くためにある。
でも、そこに優しさがなければ、届かない。
これからは、
「相手の心を守るために、どんな言葉を選ぶか」
そんな視点を持てたら、
人との関係も、自分との関係も、
もっとやわらかくなります。


昔の私は「間違えないように」が口ぐせでした。
でも本当に大切なのは、
「正しくあること」よりも「優しくあること」。
今日もひとつ、心に灯りをともして過ごしていきたいです。