怒っていたおじさんが、静かになった理由~戦わず、ただ”隣に座る”という関わり方~

潜在意識

神経外科の病院。
混んでいて、空気はピリピリ。
待合室で、ちょっと怖いおじさんが声を荒げていました。

「持ってないよ!保険証なんか!」
「これでいけるって言われたから、これ持ってきたんだよ!」

受付の人に詰め寄るようにして、怒っている様子。
書類が足りなかったのか、何か誤解があったのか、
とにかく「納得がいかない」という気持ちがあふれていました。

声を荒げるおじさんに対して、
まったく動じず、かといって突っぱねることもせず。

「そうだったんですね。教えてもらった通りに来てくださったんですね」
「大丈夫ですよ。いっしょに確認してみましょうか」

まるで、隣に座って一緒に話を聞いてくれてるみたいな対応。

怒鳴られても、寄り添ったまま。
決して「戦わない」。
でも「負ける」とか「我慢する」でもない。
ただただ、“その人の味方でい続ける”という在り方でした。

おじさんは、だんだん声を荒げるのをやめて、
「じゃあ、待ってればいいんだね」と小さく言って席に座りました。

空気が、静かになった。
でもそれは「押さえつけられて静かになった」んじゃなくて、
“安心して静かになれた”ように見えたんです。

私は日頃、潜在意識や思考のセッションをしています。
今日見たこの看護師さんの関わりは、
どんなテクニックよりも大切なものを思い出させてくれました。

  • 怒っているのは「本当の声」じゃないかもしれない。
  • 相手を変えようとしなくても、「在り方」が空気を変える。
  • 否定せず、ただ隣に座って一緒に感じてみる。

それが、どんなに人の心を溶かすか。
今日、目の前で体験しました。

相手がどんな状態でも、
「正す」「教える」じゃなく、
「一緒に考える」「一緒に向き合う」。

そういう関わりができたら、
人ってちゃんと、自分で落ち着く場所を見つけられるんだと思います。

あの看護師さんのように、
誰かの心に静かに寄り添える人が、
世界をほんの少しあたたかくしているのかもしれません。

私も、そんな一人でありたいと思いました。