「できないことを、できるようにしてあげたい」
子どものことを思うほど、そう考えることがあります。
運動が苦手なら、練習させてあげたい。
人前で話せないなら、慣れさせたい。
友達が少ないなら、もっと作ってほしい。
親としては、子どもが将来困らないようにしたい。
その気持ちがあるからこそ、できない部分が気になります。
でも、本当に大切なのは、
できないことを埋めることだけなのでしょうか。
この記事では、
子どもの「できていること」
に目を向ける大切さをお伝えします。
「できないこと」は、本当に直す必要がある?
先日、不登校の子が通うスクールに行きました。
そこに、とても勉強ができる男の子がいました。
同年代の子との会話は、あまり得意ではありません。
でも、大人とは自然に話すことができます。
私も、その子と話す時間が楽しくて。
その子も、私にはいろいろな話をしてくれました。
そんな中で、現場の責任者の方から、
「大人と話すのは得意だけど、同級生とは難しい」
「大人と話すのは楽だから、
あえて近づかないようにしている」
「できれば、あまり構わないでほしい」
という話を聞きました。
同年代とコミュニケーションを取れるようになることが必要。
だから、そこを伸ばしたいという考えです。
もちろん、そこには子どもを思う気持ちがあります。
苦手なこともできるようになったほうが、
将来のためになる。
そう考えること自体が、間違いではありません。
でも私は、少し違和感を覚えました。
「できないことをできるようにすることが、
本当にこの子のためなのかな?」
そんな疑問が浮かんだからです。
人には、それぞれ発達のペースがあります。
興味を持つものも違います。
話しやすい相手も違います。
同年代より、大人との会話が楽しい子もいます。
それなのに、
「同級生と話せない」
↓
「足りないところがある」
↓
「克服しなければ」
となってしまったら。
その子がすでに持っている、
「大人と自然に会話できる」
「知的なことに興味がある」
「好きなことなら、いくらでも話せる」
という力まで、止めてしまわないでしょうか。
子どもの「できていること」を見ていますか?
これって、学校だけの話ではないと思うんです。
子育てでも、同じことが起こります。
「運動が苦手だから、やらせなきゃ」
「人前で話せないから、慣れさせなきゃ」
「友達が少ないから、作らせなきゃ」
つい、「できないところ」に目が向きます。
でも、それは子どもを大切に思っているからですよね。
困ってほしくない。
将来、苦労してほしくない。
できることを増やしてあげたい。
だから、できないところを見つけてしまう。
私自身も、そうでした。
3人の娘を育てながら、
できないところばかり見ていました。
先回りして教えて、
コントロールしようとしていた時期も長かったです。
特に長女の大学受験のとき。
大学受験という舞台で結果を出してもらわないと、
私の子育てが認められない。
本気で、そんなふうに思っていました。
仕事では、生徒をよく観察していたはずなのに。
自分の子どもになると、できませんでした。
子どもが、ぴゅーっと突き抜けていけるものに、
私が蓋をしていたんです。
だから今は、思います。
欠けているところを探して、
埋め続ける大人にはなりたくない。
「この子、ここにこんな力があったんだ」
そんなふうに、子どもの力を見つけられる大人でいたい。
それは、子どもの自信を守ることにもつながると思うのです。
「できない」を埋めるより「できる」を伸ばす
少し極端な例を考えてみます。
中学3年生で、
国語30点。
理科25点。
社会50点。
英語50点。
数学80点。
そんな子がいたとします。
多くの大人は、まず国語と理科を見ます。
「ここが平均に届いていない」
「ここを何とかしよう」
そう考えるのではないでしょうか。
でも私は、数学80点をもっと伸ばしてもいいと思います。
木下晴弘先生がおっしゃる、
「一点突破、全面展開」という言葉があります。
私は、この言葉が大好きです。
一つが突き抜けると、
その力に引っ張られて全体が上がっていく。
公文をやってきた中でも、
それを感じることがありました。
一教科だけできる子というのは、
実はそんなにいないんです。
一つの教科が突き抜けてくると、
他の教科もついてくることがあります。
だから、
できないところから埋めるのではなく、
できているところを、もっと伸ばしてみる。
その視点があってもいいのではないでしょうか。
これは、子育てだけではありません。
大人にも同じことが言えると思います。
苦手なところを直すことばかり考えるより、
自分が自然にできることを見つける。
人から喜ばれること。
時間を忘れて夢中になれること。
なぜか自然にできてしまうこと。
そこには、その人が持って生まれた力が
隠れているかもしれません。
できないことをゼロにする人生ではなく、
できることを大きく育てる人生。
そんな関わり方が、
もっと当たり前になったらいいなと思います。
まとめ
子どもの「できないこと」が気になるのは、
その子を大切に思っているからです。
だから、できないところを見ることが
悪いわけではありません。
ただ、その前に一度だけ、
「この子は、すでに何ができているんだろう?」
と見てみる。
大人が思い描く「平均的な子ども像」に、
無理に合わせなくてもいいのかもしれません。
その子が持っている力を見つける。
そして、その力を思いきり伸ばしていく。
「できない」を埋めるだけではなく、
「できる」を伸ばす。
そんな子育てや人育てが広がったら、
大人も子どもも、もっと自由になれる気がします。
持って生まれた力を、存分に発揮できる環境へ。
お互いの力を認めながら、
一緒に伸びていける関係を作っていきたいですね。
🌿あとがき
私自身、子育ての中で「できない」
に目を向けすぎていた経験があります。
だからこそ今は、
その子の中にある力を見つけられる
大人でいたいと思っています。
子どもも大人も、まだ自分では
気づいていない力を持っています。
その力に光を当てることから、
何かが動き出すのかもしれません。
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